肛門の病気
症状からみた病名
症状 | 病名 |
---|---|
出血 | 内痔核 外痔核(自壊) 裂肛 肛門癌 |
痛み | 外痔核 嵌頓痔核 裂肛 肛門周囲膿瘍 痔瘻 |
かゆみ | 痔核 痔瘻 尖圭コンジローマ |
突起・異物感 | ◎皮垂 肛門ポリープ尖圭コンジローマ |
皮垂
★患者様は、ほぼ女性です。
★ほとんどが肛門の腫れ、突起物(小指頭の大きさまで)を心配し受診されます。
★肛門の会陰部側にできた皮膚のたるみです。
★いぼ痔(外痔核)または切れ痔(裂肛)を伴う場合には、切除することもありますが、手術の必要はありません。
便秘のタイプ
便秘とは、3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態
A.急性か、慢性か
1.急性便秘
突然、急にお通じがなくなる
2.慢性便秘
一過性ではなく長期間(3ヶ月ほど)にわたり症状がある
B.器質性か、機能性か
1.器質性便秘
腸管や肛門が大腸癌など狭窄や閉塞をきたしたことが原因でおこる
2.機能性便秘
腸管や肛門に大腸癌など器質性の病気がなく、胃結腸反射の低下や肛門括約筋の協調不全によりおこる
①弛緩性便秘:最も多い結腸無力症
②直腸性便秘:直腸瘤
③痙攣性便秘:ストレス
④食事性便秘
⑤便秘型過敏性腸症候群
C.症候性便秘
内分泌疾患、代謝性疾患、神経疾患、精神疾患、循環器疾患などでおこる
D.薬剤性便秘
腸管の運動を抑制する薬剤の影響でおこる
排便困難
便意を感じるが、長時間いきんでも排便できない状態
骨盤底筋および肛門括約筋の機能障害(筋肉の緊張亢進)でおこる
便秘の解消法
1 生活のリズム
自律神経のバランスがとれるように早寝早起きが理想です。
緊張が強いられることなど、ストレスは腸の動きを抑えます。
2 排便のリズム
朝起床後の決まった時間に、トイレに行きましょう。
トイレに行きたくなったら我慢してはいけません。
3 運動
積極的に歩きます。
お腹マッサージ(手のひらでおなか全体をへその下から時計回りに「の」の字を書くように)をします。
4 食生活の改善
三食きちんと食べます。
寝る前に食べ過ぎないようにします。
ダイエットなどの食事量(特に炭水化物の摂取量)を減らさない。
消化の悪い食べ物、アルコール、お茶やカフェイン飲料をとりすぎないようにします。
水分補給は、十分にしましょう。
5 食物繊維の多い食事
食物繊維の摂取目標量は、1日あたり20gr前後とされています。
しかし、野菜の食物繊維含有量は、100grにつき2~3gr程度が多く野菜だけでは目標量に達することは困難で、海草やきのこなどは重要な供給源となります。
1日分の食物繊維21grの食材をあげてみますと・・・・・・
玄米 200gr 6.0gr
納豆 40gr 3.8gr
ひじき 10gr 4.3gr
ごぼう 40gr 3.6gr
バナナ 200gr 3.4gr
食物繊維と便秘
食べ物が体内に入ってから消化するまで、平均30時間前後(15~72時間)といわれています。
便は、腸の蠕動運動が弱いと水分が過剰に吸収されて※便が固くなります。
※便の成分 1 水分 (便の成分の70~80%の割合を占める)
2 腸粘膜からはがれた細胞 (約15%)
3 腸内細菌、腸内フローラ (約10%)
4 食べかす、主な成分は食物繊維(約 5%)
便の量を増やすためには、消化吸収できないものを増やすことです。
すなわち、食物繊維の摂取量が多いほど便の量が増えます。
食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があります。
食品に含まれている食物繊維は水溶性と不溶性のどちらの食物繊維も含まれています。
水溶性食物繊維
腸にある水分を吸収することで、便が固くなるのを防ぎます。
食材 海草類(寒天 昆布 のり ひじき もずく わかめ)
果物類(いちご キウイ バナナ 干し柿 もも りんご)
いも類(じゃがいも やまいも)
豆 類(おから 納豆)
野 菜(アボカド オクラ ごぼう 大根 たまねぎ)
不溶性食物繊維
腸内で水分を吸収して膨らむことにより腸壁が刺激され蠕動運動を活発にし便通を促進します。
食材 穀 類(玄米 小麦 シリアル そば)
きのこ類(えのきだけ しめじ なめこ)
いも類(こんにゃく さつまいも)
豆 類(いんげん豆 えんどう豆)
野 菜(アボカド かぼちゃ キャベツ ゴボウ 春菊
たけのこ とうもろこし 菜の花 ほうれん草 レタス)
間違ったとり方をすると逆に便秘が悪化します。
便秘気味で不溶性食物繊維を多く摂取しすぎると腸に過剰な刺激が伝わることで、蠕動運動が抑制され、便を固くしお腹の張りが強くなります。
便秘を解消するつもりで野菜を多くとっても、不溶性食物繊維の割合の多い食品は、便秘を悪くすることになります。
下痢の時に不溶性食物繊維を摂取すると、下痢は悪化します。
しかし、水溶性食物繊維を摂取しても、食物繊維は水に溶けてゲル状になるので腸を刺激せず問題ありません。
まとめ
便の排泄は、トイレに座って3分以内、バナナ状の太さと硬さ、バナナ1本分の排出の量が望ましい。